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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

等は、阿弥陀仏を火に入れ、水に流す。汝等が大怨敵なり」云々、「頸を切れ、所領を追い出せ」等と勧進するが故に、日蓮の身に疵を被り、弟子等の殺害に及ぶこと数百人なり。これひとえに良観・然阿・道阿等の上人の大妄語より出でたり。心有らん人々は驚くべし怖るべし云々。
 毘瑠璃王は七万七千の諸の得道の人を殺す。月氏国の大族王は率都婆を滅毀し、僧伽藍を廃すること、およそ一千六百余処、乃至大地震動して無間地獄に堕ちにき。毘盧釈迦王は釈種九千九百九十万人を生け取って、並べ従えて殺戮す。積屍は莽のごとく、流血は池を成す。弗沙弥多羅王は四兵を興して五天を回らし、僧侶を殺し、寺塔を焼く。設賞迦王は仏法を毀壊す。訖利多王は僧徒を斥逐し、仏法を毀壊す。欽明・敏達・用明の三王の詔に曰わく「炳然としてよろしく仏法を断ずべし」云々。二臣自ら寺に詣で堂塔を斫倒し、仏像を毀破し、火を縦ってこれを焼き、焼くところの仏像を取って難波の堀江に棄て、三尼を喚び出だしてその法服を奪い、ならびに笞を加う云々。大唐の武宗は四千六百余処を滅失して、僧尼の還俗する者計うるに二十六万五百人なり。去ぬる永保年中には、山僧、園城寺を焼き払う云々。御願は十五所、堂院は九十所、塔婆は四基、鐘楼は六宇、経蔵は二十所、神社は十三所、僧坊は八百余宇、舎宅は三千余等云々。去ぬる治承四年十二月二十二日、太政入道浄海、東大・興福の両寺を焼失して僧尼等を殺す。
 これらは仏記に云わく「これらの悪人は仏法の怨敵にはあらず。三明六通の羅漢のごとき僧侶等、我が正法を滅失せん」。いわゆる、守護経に云わく、涅槃経に云わく。
    日蓮 花押