SOKAnetトップ

『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

人、当世日本国の小乗は昔の科を存せずという。
 また云わく「年来の本尊たる弥陀・観音等の像を火に入れ水に流す」等云々。
 このこと、慥かなる証人を指し出だして申すべし。もし証拠無くんば、良観上人等、自ら本尊を取り出だして火に入れ、水に流し、科を日蓮に負わせんと欲するか。委細はこれを糾明せん時、その隠れ無からんか。ただし、御尋ね無き間は、その重罪は良観上人等に譲り渡す。二百五十戒を破失せる因縁、この大妄語にしかず。無間大城の人、他処に求むることなかれ。
 また云わく「凶徒を室中に集む」云々。
 法華経に云わく「あるいは阿練若に有り」等云々。妙楽云わく、東春に云わく、輔正記に云わく。これらの経釈等をもって当世日本国に引き向かうるに、汝等が挙るところの建長寺・寿福寺・極楽寺・多宝寺・大仏殿・長楽寺・浄光明寺等の寺々は、妙楽大師の指すところの「第三は最も甚だし」の悪所なり。東春に云わく「即ちこれ出家の処に一切の悪人を摂む」云々。また云わく「両行は公処に向かって」等云々。
 また云わく「兵杖等」云々。
 涅槃経に云わく、天台云わく、章安云わく、妙楽云わく。法華経守護のための弓箭兵杖は、仏法の定まれる法なり。例せば、国王守護のために刀杖を集むるがごとし。
 ただし、良観上人等弘通するところの法、日蓮が難脱れ難きのあいだ、既に露顕せしむべきか。故に、彼の邪義を隠さんがために、諸国の守護・地頭・雑人等を相語らって言わく「日蓮ならびに弟子