475ページ
り。「もし俗間の経書、治世の語言、資生の業等を説かんも、皆正法に順ぜん」文。一切の外道・老子・孔子等の経は即ち法華経という文なり。
梵網経等の権大乗の戒と法華経の戒とに多くの差別有り。一には、彼の戒は二乗・七逆の者を許さず。二には、戒の功徳に仏果を具せず。三には、彼は歴劫修行の戒なり。かくのごとき等の多くの失有り。法華経においては、二乗・七逆の者を許す上、博地の凡夫、一生の中に仏位に入り妙覚に至って因果の功徳を具するなり。
正元二年庚申四月二十一日 日蓮 花押
(027)
同一鹹味御書
弘長元年(ʼ61) 40歳
夫れ、味に六種あり。一には淡き、二には鹹き、三には辛き、四には酸き、五には甘き、六には苦きなり。百味の餚膳を調うといえども、一つの鹹の味なければ、大王の膳とならず。山海の珍物も、鹹なければ気味なし。
大海に八つの不思議あり。一には漸々に転た深し。二には深くして底を得難し。三には同じ一つの
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
---|---|---|---|
(026)十法界明因果抄 | 文応元年(’60)4月21日 | 39歳 | |
(027)同一鹹味御書 | 弘長元年(’61) | 40歳 |