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り、仏像の鼻および諸の賢聖の形像を毀り、あるいは父母の形像を破る。この罪をもっての故に、形を受くるに多く具足せず。また次に不善法の報い、身を受くること醜陋なり」文。
法華経に云わく「もし人信ぜずして、この経を毀謗せば○もし人となることを得ば、諸根は闇鈍にして、盲・聾・背傴ならん○口の気常に臭く、鬼魅に著せられん。貧窮・下賤にして、人の使うところとなり、多病・痟痩にして、依怙するところ無く○もしは他の叛逆し、抄劫し窃盗せん。かくのごとき等の罪は、横しまにその殃いに羅からん」文。
また八の巻に云わく「もしまたこの経典を受持せん者を見て、その過悪を出ださば、もしは実にもあれ、もしは不実にもあれ、この人は現世に白癩の病を得ん。もしこれを軽笑することあらば、当に世々に牙歯疎欠、醜唇・平鼻、手脚繚戻し、眼目角睞に、身体臭穢にして、悪瘡・膿血、水腹・短気、諸の悪重病あるべし」文。
問うて云わく、いかなる業を修する者か六道に生じて、その中の王と成るや。
答えて云わく、大乗の菩薩戒を持ってこれを破る者は、色界の梵王・欲界の魔王・帝釈・四輪王・禽獣王・閻魔王等と成るなり。
心地観経に云わく「諸王の受くるところの諸の福楽は、往昔かつて三つの浄戒を持ち、戒徳薫修して招き感ずるところにして、人天の妙果、王の身を獲○中品に菩薩戒を受持すれば、福徳自在の転輪王として、心の所作に随ってことごとく成じ、無量の人天ことごとく遵奉す。下の上品に持てば、大鬼王として一切の非人ことごとく率伏す。戒品を受持して欠犯すといえども、戒の勝るるに由るが
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(026)十法界明因果抄 | 文応元年(’60)4月21日 | 39歳 |