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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

法蓮華経これなり。権実は理〈今日の本迹の理〉なり、本迹は事〈久遠の本迹の事〉なり。また権実は約智約教〈一代応仏の本迹〉、本迹は約身約位〈久遠の本迹〉。また云わく「脱は現に在りといえども、つぶさに本種を騰ぐ」といえり。釈尊、久遠名字即の位の御身の修行を、末法今時の日蓮が名字即の身に移せり。「理は造作にあらざるが故に『天真』と曰い、証智は円明なるが故に『独朗』と云う」の行儀、本門立行の血脈、これを注す。秘すべし、秘すべし。
    また日文字の口伝と産湯の口決の二箇は両大師の玄旨にあつ。本尊七箇の口伝は七面の決にこれを表す。教化弘経の七箇の伝は弘通者の大要なり。またこの血脈ならびに本尊の大事は日蓮嫡々座主伝法の書、塔中相承の稟承、唯授一人の血脈なり。相構えて相構えて、秘すべし秘すべし、伝うべし。法華本門宗血脈相承畢わんぬ。
  弘安五年太歳壬午十月十一日    日蓮 花押