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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

脱益の十二因縁四諦の本迹
   経に云わく「無明乃至老死」云々。苦・集・滅は迹なり、道諦は本なり。
脱益の三土の本迹
   報土は本、同居・方便は迹なり。
    妙楽云わく「脱は現に在りといえども」。〈本迹は理の上の一致なり。心は、寿量品も文は現量なれども、上行所伝の本因妙を唱え顕して後は、ただ久遠の教相にて成仏の肝要の観心にはあらずと云々〉。
    籤の一に云わく「本の中の体等は迹と殊ならず」。〈脱益の妙覚乃至観行・相似等の妙法蓮華経は、理に即して事を含む。しかれども本迹一致にあらず。破廃して本を立つ云々〉。
    玄の七に云わく「権実は智に約し教に約す」。〈化他不定の時施すところの権実八教なり〉。「両所殊ならず」。〈久遠の本と今日の脱益との両所なり〉。
    籤の七に云わく「理に浅深無し。故に『殊ならず』と曰う」。〈本因本果の理を、今日・中間にも寿量顕本の理に推し入れて顕すと釈するなり〉。
    籤の七に云わく「経に約すれば、これ本門なりといえども、既にこれ今世迹中の本を名づけて本門となす。故に知んぬ、今日は正しく迹中の利益に当たることを。乃至本成已後、ともに中間と名づく。中間に本を顕すに利益を得れば、なお迹の益を成ず。いわんや、また今日をや」文。〈意は久遠本果の迹を中間・今日の本となす。また久遠名字の妙法の影を中間・今日に垂迹する故に、下種に対して脱益寿量を迹と得たる証拠に釈する、これなり〉。
    疏の一に云わく「衆生は久遠に仏の善巧を蒙る」。〈久遠の下種、霊山の得脱〉。
    籤の十に云わく「故に知んぬ、今日の逗会は昔の成熟の機に赴くことを」。〈霊山の下種、久遠の得脱の益〉。
    記の二に云わく「本時の自行はただ円のみと合す」。〈本時とは本因妙の時なり〉。「化他は不定なり、また八教有り」。〈中間・今日の化導の儀式なり〉
    玄の七に云わく「迹の本は本にあらず」。〈今日の本果妙のことなり〉。「本の迹は迹にあらず」。〈本因妙のことなり〉。「本迹殊なりといえども、不思議一なり」。〈本因妙の外、全く迹無きなり。迹門は、即ち顕本の後は本無今有の方便にして無得道なり。中島の証俊、「いかん」と問いし時、俊範法印答えて云わく「不思議一なり」。求めて云わく「その義、いかん」。答えて云わく「文は迹門に在るも、義は本門に在り」云々。会して云わく「迹門