2160ページ
(442)
大学殿の事
いのりなんどの仰せ、こうぼるべしとおぼえ候わざりつるに、おおせたびて候ことのかたじけなさ。かつはしなり、かつは弟子なり、かつはだんななり。御ためにはくびもきられ、遠流にもなり候え。かわることならば、いかでかかわらざるべき。されども、このことは叶うまじきにて候ぞ。
大がくと申す人は、ふつうの人にはにず、日蓮が御かんきの時、身をすてて、かとうどして候いし人なり。この一代は城殿の御計らいなり。城殿と大がく殿は知音にておわし候。その故は、大がく殿は坂東第一の御てかき、城介殿は御てをこのまるる人なり。
(443)
但楽受持御書
とかくべし。阿弥陀経等の例時をよまずと申すは、これまた心えられず。阿弥陀経等は星のごとし、法華経は月のごとし日のごとし。勝れたる経をよみ候を、劣る経の者がせいしこそ心えられ候わねとかけ。恒例のつとめと申すはなにの恒例ぞ。仏の恒例は法華経なり。仏は「ただ楽って受持
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
---|---|---|---|
(442)大学殿の事 | |||
(443)但楽受持御書 |