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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

(417)

釈迦御所領御書

 王これをもちいず。仏、地神・天神を証人として論じかたせ給いたりき。されば、この世界は我らが本師・釈迦如来の御所領なり。されば、四衆ともに仏弟子なれども、優婆塞・優婆夷は仏弟子なれども外道にもにたり。比丘・比丘尼は仏の真子なり。されば、大悲経には、大梵天・第六天・帝釈・四大天王・人王等を一々にめして、三千大千世界を次第にゆずり給いて云わく、この世界を領知して我が真子・比丘比丘尼を供養すべき由をとき給いき。その時、梵天・帝釈等、仰いで仰せに随いにき。
 また、正直捨方便の法華経の譬喩品に云わく「今この三界は、皆これ我が有なり。その中の衆生は、ことごとくこれ吾が子なり」等云々。この文のごとくならば、この三界は皆、釈迦如来の御所領なり。寿量品に云わく「我は常にこの娑婆世界に在り」等云々。この文のごとくならば、乃往過去五百塵点劫よりこのかた、この娑婆世界は釈迦如来の御進退の国土なり。その上、仏滅後一百年に阿育大王と申す王おわしき。この南閻浮提を三度まで僧に付嘱し給いき。またこの南閻浮提の内の大日本国をば、尸那国の南岳大師、この国の上宮太子と生まれて、この国の主となり給いき。しかれば、聖徳太子已後の諸王は皆、南岳大師の末葉なり。桓武天皇已下の諸王は、また山王。