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芋一駄御書
文永11年(ʼ74)から弘安元年(ʼ78)の8月14日 53歳から57歳
いも一駄・はじかみ五十ぱ、おくりたびて候。
このみのぶのやまと申し候は、にしはしらねのたけ、つねにゆきをみる。ひんがしにはてんしのたけ、つねにひをみる。きたはみのぶのたけ、みなみはたかとりのたけ、四山のあい、はこのそこのごとし。いぬいのすみよりかわながれて、たつみのすみにむかう。かかるいみじきところ、みねにはせびのこえ、たににはさるのさけび、木はあしのごとし、くさはあめににたり。しかれども、かかるいもはみえ候わず、はじかみはおいず。いしににて、少しまもりやわらかなり。くさににて、くさよりもあじあり。
法華経に申しあげ候いぬれば、御心ざしはさだめて釈迦仏しろしめしぬらん。恐々謹言。
八月十四日 日蓮 花押
御返事
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(391)芋一駄御書 | 文永11年(’74)から弘安元年(’78)の8月14日 | 53歳から57歳 |