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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

のゆわれもや」とおぼえ候。
 蓮はきよきもの、泥よりいでたり。せんだんはこうばしき物、大地よりおいたり。さくらはおもしろき物、木の中よりさきいず。ようきひは見めよきもの、下女のはらよりむまれたり。月は山よりいでて山をてらす。
 わざわいは口より出でて身をやぶる。さいわいは心よりいでて我をかざる。
 今、正月の始めに法華経をくようしまいらせんとおぼしめす御心は、木より花のさき、池より蓮のつぼみ、雪山のせんだんのひらけ、月の始めて出ずるなるべし。
 今、日本国の、法華経をかたきとして、わざわいを千里の外よりまねき出だせり。これをもっておもうに、今また法華経を信ずる人は、さいわいを万里の外よりあつむべし。
 影は体より生ずるもの。法華経をかたきとする人の国は、体にかげのそうがごとくわざわい来るべし。法華経を信ずる人は、せんだんにこうばしさのそなえたるがごとし。またまた申し候べし。
  正月五日    日蓮 花押
 おもんすどのの女房御返事