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窪尼御前御返事(阿那律の事)
弘安3年(ʼ80)6月27日 59歳 窪尼
仏の御弟子の中にあなりちと申せし人は、こくぼん王の御子、いえにたからをみてておわしき。のちに仏の御でしとなりては、天眼第一のあなりちとて三千大千世界を御覧ありし人、法華経の座にては普明如来とならせ給う。そのさきのよのことをたずぬれば、ひえのはん一つを辟支仏と申す仏の弟子にくようせしゆえなり。
いまの比丘尼は、あわのわさごめ山中におくりて、法華経にくようしまいらせ給う。いかでか仏にならせ給わざるべき。恐々謹言。
六月二十七日 日蓮 花押
くぼの尼御前御返事
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(369)窪尼御前御返事(阿那律の事) | 弘安3年(’80)6月27日 | 59歳 | 窪尼 |