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やをやしなう女人なれば、天もまぼらせ給うらん、仏もあわれみ候らん。一切の善根の中に、孝養父母は第一にて候なれば。まして法華経にておわす。金のうつわものにきよき水を入れたるがごとく、すこしももるべからず。めでたし、めでたし。恐々謹言。
五月四日 日蓮 花押
くぼの尼御前御返事
(368)
窪尼御前御返事(一字供養功徳無尽の事)
弘安2年(ʼ79)12月27日 58歳 窪尼
十字五十まい・くしがき一れん・あめおけ一つ、送り給び了わんぬ。
御心ざしは、さきざきかきつくして、ふでもつい、ゆびもたえぬ。三千大千世界に七日ふる雨のかずはかずえつくしてん、十方世界の大地のちりは知る人もありなん、法華経の一字供養の功徳は知りがたしとこそ、仏はとかせ給いて候え。これをもって御心えあるべし。恐々謹言。
十二月二十七日 日蓮 花押
くぼの尼御前御返事
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(367)窪尼御前御返事(孝養善根の事) | 弘安2年(’79)5月4日 | 58歳 | 窪尼 |
(368)窪尼御前御返事(一字供養功徳無尽の事) | 弘安2年(’79)12月27日 | 58歳 | 窪尼 |