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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

(362)

妙心尼御前御返事(御本尊護持の事)

 建治元年(ʼ75)8月25日 54歳 窪尼

 すずの御志、送り給び候い了わんぬ。
 おさなき人の御ために、御まぼりさずけまいらせ候。この御まぼりは、法華経のうちのかんじん、一切経のげんもくにて候。たとえば、天には日月、地には大王、人には心、たからの中には如意宝珠のたま、いえにははしらのようなることにて候。
 このまんだらを身にたもちぬれば、王を武士のまぼるがごとく、子をおやのあいするがごとく、いおの水をたのむがごとく、草木のあめをねがうがごとく、とりの木をたのむがごとく、一切の仏神等の、あつまりまぼり、昼夜にかげのごとくまぼらせ給う法にて候。よくよく御信用あるべし。あなかしこ、あなかしこ。恐々謹言。
  八月二十五日    日蓮 花押
 妙心尼御前御返事