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りと、人のわらわんはずかしさよ。かしこ。
卯月十九日 日蓮 花押
かわいどの御返事
(358)
高橋殿御返事(米穀御書)
(高橋六郎兵衛)
米穀も、またまたかくのごとし。同じ米穀なれども、謗法の者をやしなうは、仏種をたつ命をついで、いよいよ強盛の敵人となる。また、命をたすけて終に法華経を引き入るべき故か。また、法華の行者をやしなうは、慈悲の中の大慈悲の米穀なるべし。一切衆生を利益するなればなり。故に「仏舎利変じて米と成る」とは、これなるべし。かかる今時分、人をこれまでつかわし給うこと、うれしさ申すばかりなし。釈迦仏・地涌の菩薩、御身に入りかわらせ給うか。
その国の仏法は貴辺にまかせたてまつり候ぞ。「仏種は縁より起こる。この故に一乗を説く」なるべし。
また治部房・下野房等来り候わば、いそぎいそぎつかわすべく候。松野殿にも見参候わば、くわしくかたらせ給え。
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(357)河合殿御返事 | 弘安3年(’80)4月19日 | 59歳 | 河合殿 |
(358)高橋殿御返事(米穀御書) | (高橋六郎兵衛) |