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西山殿御返事(雪漆御書)
建治2年(ʼ76) 55歳 西山殿
青鳧五貫文、給び候い畢わんぬ。
夫れ、雪至って白ければ、そむるにそめられず。漆至ってくろければ、しろくなることなし。これよりうつりやすきは人の心なり。善悪にそめられ候。真言・禅・念仏宗等の邪悪の者にそめられぬれば、必ず地獄におつ。法華経にそめられ奉れば、必ず仏になる。経に云わく「諸法実相」云々。また云わく「もし人信ぜずして乃至阿鼻獄に入らん」云々。
いかにも御信心をば雪・漆のごとくに御もちあるべく候。恐々謹言。
建治二年丙子 日蓮 花押
西山殿御返事
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(355)西山殿御返事(雪漆御書) | 建治2年(’76) | 55歳 | 西山殿 |