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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

給い候いぬらん。とうとし、とうとし。恐々謹言。
  弘安四年三月十八日    日蓮 花押
 上野殿御返事

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南条殿御返事(法妙人貴の事)

 弘安4年(ʼ81)9月11日 60歳 南条時光

 塩一駄・大豆一俵・とっさか一袋・酒一筒、給び候。
 上野国より御帰宅候後は、いまだ見参に入らず候。ゆかしく存じ候いしところに、品々の物ども取り副え候いて御音信に預かり候こと、申し尽くし難き御志にて候。
 今申せば事新しきに相似て候えども、徳勝童子は、仏に土の餅を奉って、阿育大王と生まれて南閻浮提を大体知行すと承り候。土の餅は物ならねども、仏のいみじくわたらせ給えば、かくいみじき報いを得たり。しかるに、釈迦仏は「我を無量の珍宝をもって億劫の間供養せんよりは、末代の法華経の行者を一日なりとも供養せん功徳は百千万億倍過ぐべし」とこそ説かせ給いて候に、法華経の行者を心に入れて数年供養し給うこと、有り難き御志かな。金言のごとくんば、定めて後生は霊山