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見候わざらんことこそかなしくは候え。さは候えども、釈迦仏・法華経に身を入れて候いしかば、臨終めでたく候いけり。心は父君と一所に霊山浄土に参りて、手をとり頭を合わせてこそ悦ばれ候らめ。あわれなり、あわれなり。
(333)
南条殿御返事(七郎五郎追善の事)
弘安3年(ʼ80)9月 59歳 南条時光
はくまいひとふくろ・いも一だ、給び了わんぬ。
そもそも故なんじょうの七ろうごろうどののこと、いままでは、ゆめかゆめか、まぼろしかまぼろしかとうたがいて、そらごととのみおもいて候えば、この御ふみにもあそばされて候。さては、まことかまことかと、はじめてうたがいいできたりて候。
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(332)上野殿御書(七郎五郎死去の事) | 弘安3年(’80)9月6日 | 59歳 | 南条時光 |
(333)南条殿御返事(七郎五郎追善の事) | 弘安3年(’80)9月 | 59歳 | 南条時光 |