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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

(307)

南条殿御返事(諸人供養の事)

 建治2年(ʼ76)3月18日 55歳 南条時光

 いものかしら、河のり、またわさび、一々、人々の御志承り候いぬ。鳥のかいごをやしない、牛の子を牛のねぶるがごとし。
 夫れ、衣は身をつつみ、食は命をつぐ。されば、法華経を山中にして読みまいらせ候人をねんごろにやしなわせ給うは、釈迦仏をやしないまいらせ、法華経の命をつぐにあらずや。妙荘厳王は三聖を山中にやしないて沙羅樹王仏となり、檀王は阿私仙人を供養して釈迦仏とならせ給う。されば、必ずよみかかねども、よみかく人を供養すれば、仏になること疑いなかりけり。経に云わく「この人は仏道において、決定して疑いあることなけん」。南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経。
  建治二年三月十八日    日蓮 花押
 謹上 南条殿御返事
  橘三郎殿・太郎大夫殿、一紙に云々、恐れ入り候。返す返す、はわき殿、読み聞かせまいらせ給え。