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金はやけばいよいよ色まさり、剣はとげばいよいよ利くなる。法華経の功徳は、ほむればいよいよ功徳まさる。二十八品は正しきことはわずかなり、讃むる言こそ多く候えと思しめすべし。
閏三月五日 日蓮 花押
楅谷妙密上人御返事
(252)
道妙禅門御書
建治2年(ʼ76)8月10日 55歳 道妙
御親父祈禱のこと承り候あいだ、仏前にて祈念申すべく候。祈禱においては顕祈顕応・顕祈冥応・冥祈冥応・冥祈顕応の祈禱有りといえども、ただ肝要は、この経の信心を致し給い候わば、現当の所願、満足あるべく候。法華第三に云わく「魔および魔民有りといえども、皆仏法を護らん」。第七に云わく「病は即ち消滅して、不老不死ならん」との金言、これを疑うべからず。
妙一尼御前、当山参詣有り難く候。巻物一巻、これを進らせ候。披見有るべく候。南無妙法蓮華経。
建治二年丙子八月十日 日蓮 花押
道妙禅門
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(251)妙密上人御消息 | 建治2年(’76)閏3月5日 | 55歳 | 妙密 |
(252)道妙禅門御書 | 建治2年(’76)8月10日 | 55歳 | 道妙 |