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なれども、法華経の一切の文字の仏にたてまつるべし。
この功徳は、父母・祖父母、乃至無辺の衆生にもおよぼしてん。まして、我がいとおしとおもうおとこ・こは申すに及ばずと、おぼしめすべし。恐々謹言。
五月二十五日 日蓮 花押
さじき女房御返事
(250)
桟敷女房御返事(衣服供養の事)
弘安5年(ʼ82)2月17日 61歳 桟敷女房
白きかたびら、布一□給び了わんぬ。
法華経を供養しまいらせ候に、十種くようと申す十のよう候。その中に衣服と申し候は、なににても候え、僧のき候物をくようし候。その因縁をとかれて候には、過去に十万億の仏をくようせる人、法華経に近づきまいらせ候とぞとかれて候え。
あらあら申すべく候えども、身にいたわること候あいだ、こまかならず候。恐々謹言。
二月十七日 日蓮 花押
さじきの女房御返事
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(249)桟敷女房御返事(無量無辺の功徳の事) | 建治元年(’75)5月25日 | 54歳 | 桟敷女房 |
(250)桟敷女房御返事(衣服供養の事) | 弘安5年(’82)2月17日 | 61歳 | 桟敷女房 |