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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

(243)

妙一尼御返事

 文永10年(ʼ73)4月26日 52歳 妙一尼

 滝王丸、これを遣使す。
 昔、国王は、自身をもって床座となし、千歳の間、阿志仙に仕え奉り、妙法蓮華経の五字を習い持つ。今の釈尊これなり。今の施主・妙一比丘尼は、貧道の身を扶けんとて、小童に命じてこれを使わし、法華経の行者に仕え奉る。
 彼は国王、これは卑賤。彼は国の畏れ無し、これは勅勘の身なり。これは末代の凡女、彼は上代の聖人なり。志既に彼に超過せり。来果何ぞ斉等ならざらんや、斉等ならざらんや。
 弁殿は今年は鎌倉に住し、衆生を教化するか。恐々謹言。
  卯月二十六日    日蓮 花押
  さじき
 妙一尼御前