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十住毘婆沙等の要文を大帖にて候と真言の表のしょうそくの裏にさど房のかきて候と、そうじてせせとかきつけて候もののかろき、とりてたび候え。紙なくして一紙に多人のことを申すなり。
七月二十一日 日蓮 花押
弁殿
(230)
五人土籠御書
文永8年(ʼ71)10月3日 50歳 日朗はじめ門下5人
五人御中□ 日蓮
今月七日、さどの国へまかるなり。各々は法華経一部ずつあそばして候えば、我が身ならびに父母・兄弟、存亡等に回向しましまし候らん。今夜のかんずるにつけて、いよいよ我が身より心ぐるしさ申すばかりなし。ろうをいでさせ給いなば、明年のはる、かならずきたり給え。みみえまいらすべし。
しょうどののただ一人あるやつをつけよかしとおもう心、心なしとおもう人一人もなければしぬまで各々御はじなり。また大進阿闍梨は、これにさたすべきこと、かたがたあり。またおのおのの御身の上をもみはてさせんがりょうに、とどめおくなり。くわしくは申し候わんずらん。恐々謹言。
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(229)弁殿御消息(師弟同心の祈りの事) | 建治2年(’76)7月21日 | 55歳 | 日昭 |
(230)五人土籠御書 | 文永8年(’71)10月3日 | 50歳 | 日朗はじめ門下5人 |