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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

  十月三日    日蓮 花押
 五人御中
  せんあくてこ房をばつけさせ給え。ふしらうめが一人あらんずるが、ふびんに候えば申す。

(231)

土籠御書

 文永8年(ʼ71)10月9日 50歳 日朗

 日蓮は、明日、佐渡国へまかるなり。今夜のさむきにつけても、ろうのうちのありさま思いやられて、いたわしくこそ候え。あわれ、殿は法華経一部を色心二法共にあそばしたる御身なれば、父母六親、一切衆生をもたすけ給うべき御身なり。法華経を余人のよみ候は、口ばかりことばばかりはよめども心はよまず。心はよめども身によまず。色心二法共にあそばされたるこそ貴く候え。「天の諸の童子は、もって給使をなさん。刀杖も加えず、毒も害すること能わじ」と説かれて候えば、別のことはあるべからず。
 籠をばし出でさせ給い候わば、とくとくきたり給え。見たてまつり、見えたてまつらん。恐々謹言。
  文永八年辛未十月九日    日蓮 花押
 筑後殿