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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

(204)

四条金吾釈迦仏供養事

 建治2年(ʼ76)7月15日 55歳 四条金吾

 御日記の中に釈迦仏の木像一体等云々。
 開眼のこと。普賢経に云わく「この大乗経典は、諸仏の宝蔵なり。十方三世の諸仏の眼目なり」等云々。また云わく「この方等経は、これ諸仏の眼なり。諸仏はこれに因って五眼を具することを得たまえり」云々。この経の中に「五眼を具することを得たまえり」とは、一には肉眼、二には天眼、三には慧眼、四には法眼、五には仏眼なり。この五眼をば、法華経を持つ者は自然に相具し候。譬えば、王位につく人は自然に国のしたがうがごとし。大海の主となる者の自然に魚を得るに似たり。華厳・阿含・方等・般若・大日経等には、五眼の名はありといえども、その義なし。今の法華経には、名もあり、義も備わって候。たとい名はなけれども、必ずその義あり。
 三身のこと。普賢経に云わく「仏の三種の身は、方等より生ず。これ大法印なり。涅槃海を印す。かくのごとき海中より能く三種の仏の清浄の身を生ず。この三種の身は、人天の福田、応供の中の最なり」云々。三身とは、一には法身如来、二には報身如来、三には応身如来なり。この三身如来をば一切の諸仏必ずあいぐす。譬えば、月の体は法身、月の光は報身、月の影は応身にたとう。一つの月