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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

(169)

秋元殿御返事

 文永8年(ʼ71)1月11日 50歳 秋元殿

 御文委しく承り候い畢わんぬ。
 御文に云わく「末法の始め五百年にはいかなる法を弘むべしと思いまいらせ候いしに、聖人の仰せを承り候に、法華経の題目に限って弘むべき由聴聞申して、御弟子の一分に定まり候。殊に五節供はいかなる由来、いかなる所表、何をもって正意としてまつり候べく候や」云々。
 夫れ、このことは日蓮委しく知ることなし。しかりといえども、ほぼ意得て候。根本大師の御相承ありげに候。総じて真言・天台両宗の習いなり。委しくは曽谷殿へ申して候。次いでの御時は御談合あるべきか。
 まず、五節供の次第を案ずるに、妙法蓮華経の五字の次第の祭りなり。正月は妙の一字のまつり、天照太神を歳の神とす。三月三日は法の一字のまつりなり。辰をもって神とす。五月五日は蓮の一字のまつりなり。午をもって神とす。七月七日は華の一字の祭りなり。申をもって神とす。九月九日は経の一字のまつり、戌をもって神とす。かくのごとく心得て、南無妙法蓮華経と唱えさせ給え。「現世安穏にして、後に善処に生ず」疑いなかるべし。