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喧嘩を出だすべからざるか。
かくのごときこと、書札に尽くし難し。心をもって御斟酌あるべきか。これらの矯言を出だすこと、恐れを存すといえども、仏経と行者と檀那と三事相応して一事を成ぜんがために、愚言を出だすところなり。恐々謹言。
五月九日 日蓮 花押
三人御中
(115)
富木殿御消息
文永6年(ʼ69)6月7日 48歳 富木常忍
大師講のこと。今月、明性房にて候が、「この月はさしあい候。余人の中、せんと候人候わば申させ給え」と候。貴辺いかん。仰せを蒙り候わん。また、御指し合いにて候わば、他処へ申すべく候。恐々謹言。
六月七日 日蓮 花押
土木殿
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(114)問注得意抄 | 文永6年(’69)5月9日 | 48歳 | 富木常忍ら3人 |
(115)富木殿御消息 | 文永6年(’69)6月7日 | 48歳 | 富木常忍 |