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富木殿御返事(止観第五の事)
文永6年(ʼ69)12月22日* 富木常忍
止観第五のこと、正月一日辰時、これをよみはじめ候。明年は世間悤々なるべきよし皆人申すあいだ、一向後生のために十五日まで止観を談ぜんとし候が、文あまた候わず候。御計らい候べきか。
白米一斗、御志申しつくしがとう候。鎌倉は、世間かっして候。僧はあまたおわします。過去の餓鬼道の苦をばつぐのわせ候いぬるか。
法門のこと、日本国に人ごとに信ぜさせんと願じて候いしが、願や成熟せんとし候らん、当時は蒙古の勘文によりて世間やわらぎて候なり。子細ありぬと見え候。本より信じたる人々は、ことに悦ぶげに候か。恐々謹言。
十二月二十二日 日蓮 花押
母尼ごぜんにはことに法華経の御信心のふかくましまし候なること、悦び入って候と申させ給い候え。
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(116)富木殿御返事(止観第五の事) | 文永6年(’69)12月22日* | 富木常忍 |