1224ページ
(106)
大尼御前御返事
弘安3年(ʼ80)9月20日 59歳 大尼
ごくそつ・えんま王の、長は十丁ばかり、面はすをさし、眼は日月のごとく、歯はまんぐわの子のように、くぶしは大石のごとく、大地は舟を海にうかべたるようにうごき、声はらいのごとくはたはたとなりわたらんには、よも南無妙法蓮華経とはおおせ候わじ。
日蓮が弟子にてはおわせず。よくよく内をしたためて、おおせをかぼり候わん。なずきをわり、みをせめて、いのりてみ候わん。たださきのいのりとおぼしめせ。これより後は、のちのことをよくよく御かため候え。恐々謹言。
九月二十日 日蓮 花押
大尼御前御返事
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
---|---|---|---|
(106)大尼御前御返事 | 弘安3年(’80)9月20日 | 59歳 | 大尼 |