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華果成就御書
弘安元年(ʼ78)4月 57歳 浄顕房・義浄房
その後、なに事もうちたえ申し承らず候。
さては建治の比、故道善房聖人のために二札かきつかわし奉り候を、嵩が森にてよませ給いて候よし、悦び入って候。
たとえば、根ふかきときんば枝葉かれず、源に水あれば流れかわかず、火はたきぎかくればたえぬ。草木は大地なくして生長することあるべからず。
日蓮、法華経の行者となって、善悪につけて日蓮房・日蓮房とうたわるるこの御恩、さながら故師匠・道善房の故にあらずや。
日蓮は草木のごとく、師匠は大地のごとし。
彼の地涌の菩薩の上首、四人にてまします。「一に上行と名づけ乃至四に安立行菩薩と名づく」云々。末法には上行出世し給わば、安立行菩薩も出現せさせ給うべきか。
されば、いねは華果成就すれども、必ず米の精、大地におさまる。故にひつじおいいでて、二度、華果成就するなり。
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(103)華果成就御書 | 弘安元年(’78)4月 | 57歳 | 浄顕房・義浄房 |