『日蓮大聖人御書全集　新版』全文検索

光明寺・長楽寺・大仏殿の長老等は、「我慢の心充満す」「いまだ得ざるを謂って得たりとなす」の増上慢の大悪人なり。何ぞ蒙古国の大兵を調伏せしむべけんや。あまつさえ、日本国中の上下万人ことごとく生け取りと成るべく、今世には国を亡ぼし、後世には必ず無間に堕ちん。
　日蓮が申すことを御用い無くんば、後悔これ有るべし。この趣、鎌倉殿・宿屋入道殿・平左衛門尉殿等へこれを進状せしめ候。一処に寄り集まって御評議有るべく候。あえて日蓮が私曲の義にあらず、ただ経論の文に任すのところなり。
　つぶさには紙面に載せ難し。しかしながら対決の時を期す。書は言を尽くさず、言は心を尽くさず。恐々謹言。
　　文永五年戊辰十月十一日　　　　日蓮　花押
　進上　建長寺道隆聖人侍者御中

　西戎・大蒙古国の簡牒のことについて、鎌倉殿その外へ書状を進ぜしめ候。日蓮去ぬる文応元年の比勘え申せし立正安国論のごとく、毫末ばかりもこれに相違せず候。このこと、いかん。
　長老忍性、速やかに嘲弄の心を翻し、早く日蓮房に帰せしめ給え。もししからずんば、「人間を軽