『日蓮大聖人御書全集　新版』全文検索

を滅すべし。この諸の悪人、またかくのごとき経典を読誦すといえども、如来の深密の要義を滅除して乃至前を抄って後に著け、後を抄って前に著け、前後を中に著け、中を前後に著けん。当に知るべし、かくのごとき諸の悪比丘は、これ魔の伴侶なり」等云々。
　今、日本国を案ずるに、代始まってすでに久しく成りぬ。旧き守護の善神は、定めて福も尽き、寿も減じ、威光勢力も衰えぬらん。仏法の味をなめてこそ威光勢力も増長すべきに、仏法の味は皆たがいぬ。齢はたけぬ。いかでか、国の災いを払い、氏子をも守護すべき。その上謗法の国にて候を、氏神なればとて大科をいましめずして守護し候えば、仏前の起請を毀る神なり。しかれども、氏子なれば愛子の失のようにすてずして守護し給いぬるほどに、法華経の行者をあだむ国主・国人等を対治を加えずして守護する失によって、梵釈等のためには八幡等は罰せられ給いぬるか。このことは一大事なり。秘すべし、秘すべし。
　ある経の中に、仏この世界と他方の世界との梵釈・日月・四天・竜神等を集めて、我が正像末の持戒・破戒・無戒等の弟子等を第六天の魔王・悪鬼神等が人王・人民等の身に入って悩乱せんを、見ながら聞きながら治罰せずして須臾もすごすならば、必ず梵釈等の使いをして四天王に仰せつけて治罰を加うべし。もし氏神治罰を加えずば、梵釈・四天等も守護神に治罰を加うべし。梵釈またかくのごとし。梵釈等は必ずこの世界の梵釈・日月・四天等を治罰すべし。もししからずんば、三世の諸仏の出世に漏れ、永く梵釈等の位を失って無間大城に沈むべしと、釈迦・多宝・十方の諸仏の御前にして起請を書き置かれたり。