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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

法の名字を替えて止観と号し、一念三千・一心三観を修し給いしなり。ただし、これらの大師等も南無妙法蓮華経と唱うることを自行真実の内証と思しめされしなり。南岳大師、法華懺法に云わく「南無妙法蓮華経」文。天台大師云わく「南無平等大慧一乗妙法蓮華経」文。また云わく「稽首妙法蓮華経」云々。また「帰命妙法蓮華経」云々。伝教大師、最後臨終の十生願の記に云わく「南無妙法蓮華経」云々。
 問う。文証分明なり。何ぞかくのごとく弘通したまわざるや。
 答う。これにおいて二意有り。一には時の至らざるが故に、二には付嘱にあらざるが故なり。およそ妙法の五字は末法流布の大白法なり、地涌千界の大士の付嘱なり。この故に、南岳・天台・伝教等は内に鑑みて、末法の導師にこれを譲って弘通し給わざりしなり。