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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

属および薬叉等、かくのごとき事を見て、その国土を捨てて擁護の心無けん。ただ我らのみこの王を捨棄するにあらず、必ず無量の国土を守護する諸大善神有らんも、みな捨て去らん。既に捨離し已われば、その国、当に種々の災禍有って国位を喪失すべし。一切の人衆、皆善心無く、ただ繫縛・殺害・瞋諍のみ有って、たがいに讒諂し、枉げて辜無きに及ぼさん。疫病流行し、彗星しばしば出で、両日並び現じ、薄蝕恒無く、黒白の二虹不祥の相を表し、星流れ地動き、井の内に声を発し、暴雨・悪風、時節に依らず、常に飢饉に遭って苗実成らず、多く他方の怨賊有って国内を侵掠し、人民は諸の苦悩を受け、土地に楽しむところの処有ることなけん」已上。
 大集経に云わく「仏法実に隠没せば、鬚・髪・爪皆長く、諸法もまた忘失せん。その時、虚空の中に大なる声あって地を震い、一切皆あまねく動かんこと、なお水上輪のごとくならん。城壁破れ落ち下り、屋宇ことごとく圮れ坼け、樹林の根・枝・葉・華葉・菓・薬尽きん。ただ浄居天を除いて、欲界の一切処の七味三精気損減して余り有ることなけん。解脱の諸の善論、その時一切尽きん。生ずるところの華菓の味わい希少にして、また美からず。あらゆる井・泉・池、一切ことごとく枯涸し、土地ことごとく鹹鹵し、敵裂して丘澗と成らん。諸山皆燋燃して天竜雨を降らさず。苗稼も皆枯死し、生ずるもの皆死れ尽きて余草さらに生ぜず。土を雨らし、皆昏闇にして、日月も明を現ぜず、四方皆亢旱してしばしば諸の悪瑞を現じ、十不善業の道、貪・瞋・癡倍増して、衆生の、父母においてこれを観ること獐鹿のごとくならん。衆生および寿命・色力・威楽減じ、人天の楽を遠離し、みな悪道に堕ちん。かくのごとき不善業の悪王・悪比丘、我が正法を毀壊し、天人の道を損減し、諸天善神、王