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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

(317)

南条殿女房御返事

 弘安元年(ʼ78)5月24日 57歳 (南条時光の妻)

 八木二俵、送り給び候い了わんぬ。度々の御志、申し尽くし難く候。
 夫れ、水は寒積もれば氷となる、雪は年累なって水精となる。悪積もれば地獄となる、善積もれば仏となる。女人は嫉妬かさなれば毒蛇となる。法華経供養の功徳かさならば、あに竜女があとをつがざらん。
 山といい、河といい、馬といい、下人といい、かたがたなんかんのところに、度々の御志、申すばかりなし。
 御所労の人の臨終正念、霊山浄土疑いなかるべし。
  五月二十四日    日蓮 花押
 御返事