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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

 二には、念仏を無間地獄とは、法華経の序分・無量義経に云わく「方便力をもって、四十余年にはいまだ真実を顕さず」云々。次下の文に云わく「無量無辺を過ぐるとも乃至終に無上菩提を成ずることを得ず」云々。仏、初成道の時より白鷺池の辺に至るまで年紀をあげ、四十余年と指して、その中の一切経を挙ぐる中に大部の経四部、その四部の中に「次に方等十二部経を説く」云々。これ念仏者の御信用候三部経なり。これを挙げて「真実にあらず」云々。次に法華経に云わく「世尊は法久しくして後、要ず当に真実を説きたもうべし」とは、念仏等の不真実に対し、南無妙法蓮華経を真実と申す文なり。
 次下に云わく「仏は自ら大乗に住したまえり乃至もし小乗をもって乃至一人をも化せば、我は即ち慳貪に堕せん。この事は不可となす」云々。この文の意は、法華経を仏胸に秘しおさめて、観経・念仏等の四十余年の経ばかりを人々に授けて、法華経を説かずして黙止するならば、我は慳貪の者なり、三悪道に堕つべしという文なり。
 仏すらなお、ただ念仏を行じて一生をすごし法華経に移らざる時は、地獄に堕つべし云々。いわんや、末代の凡夫、一向に南無阿弥陀仏と申して一生をすごし、法華経に移って南無妙法蓮華経と唱えざる者、三悪道を免るべきや。
 第二の巻に云わく「今この三界」等云々。この文は、日本国、六十六箇国・島二つの大地は、教主釈尊の本領なり。娑婆もってかくのごとく、全く阿弥陀仏の領にあらず。「その中の衆生は、ことごとくこれ吾が子なり」云々。日本国の四十九億九万四千八百二十八人の男女、各父母有りといえども、