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阿仏房御返事
弘安元年(ʼ78)6月3日 57歳 阿仏房
御状の旨、委細承り候い畢わんぬ。
大覚世尊説いて曰わく「生老病死」「生住異滅」等云々。既に生を受けて齢六旬に及ぶ。老また疑いなし。ただ残るところは病・死の二句なるのみ。しかるに、正月より今月六月一日に至り、連々としてこの病息むことなし。死ぬること疑いなきものか。経に云わく「生滅滅し已わって、寂滅を楽となす」云々。今は毒身を棄てて、後に金身を受くれば、あに歎くべけんや。
六月三日 日蓮 花押
阿仏房
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(264)阿仏房御返事 | 弘安元年(’78)6月3日 | 57歳 | 阿仏房 |