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天照太神は、玉をそさのおのみことにさずけて、玉のごとくの子をもうけたり。しかるあいだ、日の神、我が子となづけたり。さてこそ正哉吾勝とは名づけたれ。日蓮、うまるべき種をさずけて候えば、いかでか我が子におとるべき。
「一つの宝珠の、価直三千なるもの有り」等、「無上の宝聚は、求めざるに自ずから得たり」、釈迦如来「皆これ吾が子なり」等云々。日蓮あにこの義にかわるべきや。幸なり、幸なり。めでたし、めでたし。またまた申すべく候。あなかしこ、あなかしこ。
文永八年五月 日 日蓮 花押
四条金吾殿女房御返事
(190)
月満御前御書
文永8年(ʼ71)5月8日 50歳 四条金吾
若童生まれさせ給いし由承り候。めでたく覚え候。殊に今日は八日にて候。彼といい、これといい、所願しおの指すがごとく、春の野に花の開けるがごとし。しかれば、いそぎいそぎ名をつけ奉る。月満御前と申すべし。
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(189)四条金吾女房御書 | 文永8年(’71)5月 | 50歳 | 日眼女 |
(190)月満御前御書 | 文永8年(’71)5月8日 | 50歳 | 四条金吾 |