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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

だし、大日経と法華経と相対せば、法華経は難信難解、大日経は最もこれ難信難解なり」云々。この二義は日本一同なり。日蓮、読んで云わく「外道の経は易信易解、小乗経は難信難解。小乗経は易信易解、大日経等は難信難解。大日経等は易信易解、般若経は難信難解なり。般若と華厳と、華厳と涅槃と、涅槃と法華と、迹門と本門と、重々の難易あり」。
 問うて云わく、この義を知って何の詮か有る。
 答えて云わく、生死の長夜を照らす大灯、元品の無明を切る利剣は、この法門に過ぎざるか。随他意とは、真言宗・華厳宗等は随他意の易信易解なり。仏、九界の衆生の意楽に随って説くところの経々を随他意という。譬えば賢父が愚子に随うがごとし。仏、仏界に随って説くところの経を随自意という。譬えば聖父が愚子を随えたるがごとし。日蓮この義に付いて大日経・華厳経・涅槃経等を勘え見候に、皆、随他意の経々なり。
 問うて云わく、その随他意の証拠いかん。
 答えて云わく、勝鬘経に云わく「非法を聞くことなき衆生には、人天の善根をもってこれを成熟す。声聞を求むる者には声聞乗を授け、縁覚を求むる者には縁覚乗を授け、大乗を求むる者には授くるに大乗をもってす」云々。易信易解の心これなり。華厳・大日・般若・涅槃等、またかくのごとし。
 「その時、世尊は、薬王菩薩に因って八万の大士に告げたまわく『薬王よ。汝はこの大衆の中の無量の諸天・竜王・夜叉・乾闥婆・阿修羅・迦楼羅・緊那羅・摩睺羅伽、人と非人、および比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷、声聞を求むる者、辟支仏を求むる者、仏道を求むる者を見るや。かくのごとき