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(006)
如来滅後五五百歳始観心本尊抄(観心本尊抄)
文永10年(ʼ73)4月25日 52歳
本朝沙門日蓮撰す。
摩訶止観第五に云わく〈世間と如是と一なり。開合の異なり〉
「夫れ、一心に十法界を具す。一法界にまた十法界を具すれば、百法界なり。一界に三十種の世間を具すれば、百法界には即ち三千種の世間を具す。この三千、一念の心に在り。もし心無くんば已みなん。介爾も心有らば、即ち三千を具す乃至ゆえに称して不可思議境となす。意ここに在り」等云々〈ある本に云わく「一界に三種の世間を具す」〉。
問うて曰わく、玄義に一念三千の名目を明かすや。
答えて曰わく、妙楽云わく「明かさず」。
問うて曰わく、文句に一念三千の名目を明かすや。
答えて曰わく、妙楽云わく「明かさず」。
問うて曰わく、その妙楽の釈いかん。
答えて曰わく、「ならびにいまだ一念三千と云わず」等云々。
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(006)如来滅後五五百歳始観心本尊抄(観心本尊抄) | 文永10年(’73)4月25日 | 52歳 |