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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

 問うて曰わく、止観の一・二・三・四等に一念三千の名目を明かすや。
 答えて曰わく、これ無し。
 問うて曰わく、その証いかん。
 答えて曰わく、妙楽云わく「故に、止観の『正しく観法を明かす』に至って、ならびに三千をもって指南となす」等云々。
 疑って云わく、玄義第二に云わく「また一法界に九法界を具すれば、百法界・千如是あり」等云々。文句第一に云わく「一入に十法界を具すれば、一界また十界なり。十界に各十如是あれば、即ちこれ一千なり」等云々。観音玄に云わく「十法界交互なれば、即ち百法界有り。千種の性相、冥伏して心に在り。現前せずといえども、宛然として具足す」等云々。
 問うて曰わく、止観の前の四に一念三千の名目を明かすや。
 答えて曰わく、妙楽云わく「明かさず」。
 問うて曰わく、その釈いかん。
 答う。弘決第五に云わく「もし正観に望めば、全くいまだ行を論ぜず。また二十五法に歴て事に約して解を生ず。方に能く正修の方便となすに堪えたり。この故に、前の六は皆解に属す」等云々。また云わく「故に、止観の『正しく観法を明かす』に至って、ならびに三千をもって指南となす。乃ちこれ終窮究竟の極説なり。故に、序の中に『己心の中に行ずるところの法門を説く』と云えり。良に以有るなり。請う、尋ね読まん者、心に異縁無かれ」等云々。