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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

(101)

別当御房御返事

 文永後期 別当御房

 聖密房のふみにくわしくかきて候。よりあいてきかせ給い候え。
 なに事も二間・清澄のことをば聖密房に申しあわせさせ給うべく候か。世間のりをしりたるものに候えば、こう申すに候。これへの所当なんどのことは、ゆめゆめおもわず候。いくらほどのことに候べき。ただ、なばかりにてこそ候わめ。また、わせいつをのこと、おそれ入って候。いくほどなきことに御心ぐるしく候らんと、かえりてなげき入って候えども、我が恩をばしりたりけりと、しらせまつらんために候。
 「大名を計るものは小恥にはじず」と申して、南無妙法蓮華経の七字を日本国にひろめ、震旦・高麗までも及ぶべきよしの大願をはらみて、その願の満ずべきしるしにや、大蒙古国の牒状しきりにありて、この国の人ごとの大いなる歎きとみえ候。日蓮また先よりこのことをかんがえたり。閻浮第一の高名なり。
 先よりにくみぬるゆえに、ままこのこうみょうのようにせん心とは用い候わねども、終に身のなげき極まり候時は、辺執のものどもも一定とかえぬとみえて候。これほどの大事をはらみて候ものの、