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授決集に法相宗の慈恩大師を破して云わく、
「五性宗の云わく『未熟〈法華論の「前の二つは未熟」の文なり〉』と言うは、応に不熟と云うべし○今謂わく、汎く法華を講ずるには、すべからくこの義をもって正となすべし。もししからずんば、経を破し、論を破し、罪五逆に過ぎたり。基公を除いてより外は、人にして彼の不熟の義を伝うるもの無し○もし強いてこれを執せば、公私十方の信施をば消し難し、消し難し。もし消せずんば、何ぞ三途を免れん。爾を供養せん者は、三悪道に堕ちん。謗法の罪報は法華・般若の諸大乗経に一切明らかに説けり。智者披くべし○爾これを信受すべし。無間を招くなかれ」
授決集〈円珍、真言等の諸宗を徴めて云う〉
「真言・禅門・華厳・三論・唯識・律業・成俱の二論等は○もし法華・涅槃等の経に望めば、これ接引門なり」文
また云わく「大底、他は多く三教に在り、円旨至って少なきのみ」
弘法大師の二教論に「喩して曰わく、今この経文に依るに、仏五味をもって五蔵に配当す。総持を醍醐と称し、四味をば四蔵に譬う。震旦の人師等、諍って醍醐を盗んで各自宗に名づく」
乳 あなん
一 俎多覧 経
酪 うはり
二 毘那耶 律 小乗
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(090)和漢王代記 |