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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

謗法の法然が弟子となりぬ。承久調伏の上衆・慈円僧正は、第六十二代ならびに五・九、七十一代の四代の座主、隠岐法皇の御師なり。
 これらの人々は、善無畏三蔵・金剛智三蔵・不空三蔵・慈覚・智証等の真言をば、器はかわれども一つ智水なり。その上、天台宗の座主の名を盗んで法華経の御領を知行して三千の頭となり、一国の法師と仰がれて、大日経を本として七重くだれる真言をもって八重勝れりとおもえるは、天を地とおもい、民を王とあやまち、石を珠とあやまつのみならず、珠を石という人なり。教主釈尊・多宝仏・十方の諸仏の御怨敵たるのみならず、一切衆生の眼目を奪い取り、三善道の門を閉じ、三悪道の道を開く。梵釈・日月・四天等の諸天善神、いかでかこの人を罰せざらん。いかでかこの人を仰ぐ檀那を守護し給うべき。天照太神の内侍所も、八幡大菩薩の百王守護の御ちかいも、いかでか叶わせ給うべき。
 余、この由をかつ知りしより已来、一分の慈悲に催されて、ほぼ随分の弟子にあらあら申せしほどに、次第に増長して国主まで聞こえぬ。国主は理を親とし非を敵とすべき人にておわすべきが、いかんがしたりけん、諸人の讒言をおさめて、一人の余をすて給う。彼の天台大師は、南北の諸人あだみしかども、陳・隋二代の帝重んじ給いしかば、諸人の怨もうすかりき。この伝教大師は、南都七大寺讒言せしかども、桓武・平城・嵯峨の三皇用い給いしかば、怨敵もおかしがたし。
 今、日蓮は、日本国十七万一千三十七所の諸僧等のあだするのみならず、国主用い給わざれば、万民あだをなすこと、父母の敵にも超え、宿世のわだにもすぐれたり。結句は、二度の遠流、一度の頭に及ぶ。彼の大荘厳仏の末法の四比丘ならびに六百八十万億那由他の諸人が普事比丘一人をあだみし