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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

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 問うて云わく、如説修行の行者は「現世安穏」なるべし。何が故ぞ三類の強敵盛んならんや。
 答えて云わく、釈尊は法華経の御ために今度九横の大難に値い給う。過去の不軽菩薩は法華経の故に杖木・瓦石を蒙り、竺の道生は蘇山に流され、法道三蔵は面に火印をあてられ、師子尊者は頭をはねられ、天台大師は南三北七にあだまれ、伝教大師は六宗ににくまれ給えり。これらの仏・菩薩・大聖等は、法華経の行者としてしかも大難にあい給えり。これらの人々を如説修行の人と云わずんば、いずくにか如説修行の人を尋ねん。
 しかるに、今の世は闘諍堅固・白法隠没なる上、悪国・悪王・悪臣・悪民のみ有って、正法を背いて邪法・邪師を崇重すれば、国土に悪鬼乱れ入って、三災七難盛んに起これり。
 かかる時刻に日蓮仏勅を蒙ってこの土に生まれけるこそ時の不祥なれ。法王の宣旨背きがたければ、経文に任せて権実二教のいくさを起こし、忍辱の鎧を着て、妙教の剣を提げ、一部八巻の肝心・妙法五字の旗を指し上げて、未顕真実の弓をはり、正直捨権の箭をはげて、大白牛車に打ち乗って権門をかっぱと破り、かしこへおしかけ、ここへおしよせ、念仏・真言・禅・律等の八宗・十宗の敵人をせむるに、あるいはにげ、あるいはひきしりぞき、あるいは生け取られし者は我が弟子となる。あるいはせめ返し、せめおとしすれども、かたきは多勢なり、法王の一人は無勢なり。今に至るまで軍やむことなし。
 「法華の折伏は権門の理を破す」の金言なれば、終に権教・権門の輩を一人もなくせめおとして法