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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索


 〔殿下御教書〕
 専修念仏のこと、五畿七道に仰せて永く停止せらるべきの由、先日宣下せられ候い畢わんぬ。しかるに、諸国になおその聞こえ有り云々。宣旨の状を守って沙汰致すべきの由、地頭・守護所等に仰せ付けらるべきの旨、山門訴え申し候。御下知有るべく候。この旨をもって沙汰申さしめ給うべきの由、殿下の御気色候ところなり。よって執達、件のごとし。
  嘉禄三年十月十日    参議範輔 在判
 武蔵守殿

 永尊竪者の状に云わく「この十一日の大衆の僉議に云わく『法然房の造れるところの選択は謗法の書なり。天下にこれを止め置くべからず』。よって、在々所々の持つところならびにその印板を大講堂に取り上げ、三世の仏恩を報ぜんがためにこれを焼失せしめ畢わんぬ」。また云わく「法然上人の墓所をば、感神院の犬神人に仰せ付けて破却せしめ畢わんぬ。嘉禄三年十月十五日」。
 隆真法橋申して云わく「専修念仏は亡国の本たるべき旨、文理これ有り」。
 山門より雲居寺に送る状に云わく「邪師源空、存生の間には永く罪条に沈み、滅後の今はかつ死骨を刎ねらる。その邪類たる住蓮と安楽とは死を原野に賜わり、成覚と薩生とは刑を遠流に蒙りぬ。ほとんどこの現罰をもってその後報を察すべし」云々。