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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

七箇国・山陰道八箇国・山陽道八箇国・南海道六箇国・西海道十一箇国また鎮西と云いまた大宰府云々。已上、これは国なり。
 国主をたずぬれば、神世十二代は天神七代・地神五代なり。天神七代の第一は国常立尊、乃至第七は伊弉諾尊〈男なり〉・伊弉冉尊〈妻なり〉。地神五代の第一は天照太神、伊勢大神宮・日の神これなり。いざなぎ・いざなみの御女なり。乃至第五は彦波瀲武鸕鷀草葺不合尊。この神は第四のひこほの御子なり。母は竜の女なり。已上、地神五代。已上十二代は神世なり。
 人王は大体百代なるべきか。その第一の王は神武天皇。これはひこなぎさの御子なり。乃至第十四は仲哀天皇〈八幡の御父なり〉、第十五は神功皇后〈八幡の御母なり〉、第十六は応神天皇、仲哀と神功の御子、今の八幡大菩薩なり。乃至第二十九代は宣化天皇なり。この時までは、月氏・漢土には仏法ありしかども、日本国にはいまだわたらず。
 第三十代は欽明天皇。この皇は第二十七代の継体の御嫡子なり。治三十二年。この皇の治十三年壬申十月十三日辛酉、百済国の聖明皇、金銅の釈迦仏を渡し奉る。今、日本国の上下万人一同に阿弥陀仏と申す、これなり。その表の文に云わく「臣聞くならく、万法の中には仏法最も善し。世間の道にも仏法最も上なり。天皇陛下また応に修行すべし。故に、敬んで仏像・経教・法師を捧げて使いに附して貢献す。よろしく信じ行ずべきものなり」已上。しかりといえども、欽明・敏達・用明の三代三十余年は崇め給うことなし。その間のことさまざまなりといえども、その時の天変地夭は今の代にこそにて候えども、今はまたその代にはにるべくもなき変夭なり。