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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

四禅定をえ、欲界の結を断じたりしかども、苦得外道の法を習って、生身に阿鼻地獄に堕ちぬ。提婆が六万蔵・八万蔵を暗にしたりしかども、外道の五法を行じて、現に無間に堕ちにき。阿闍世王の父を殺し母を害せんと擬せし、大象を放って仏をうしないたてまつらんとせしも、悪師・提婆が教えなり。俱伽利比丘が舎利弗・目連をそしりて生身に阿鼻に堕せし、大族王の五竺の仏法僧をほろぼせし、大族王の舎弟は加湿弥羅国の王となりて健駄羅国の率都婆・寺塔一千六百所をうしないし、金耳国王の仏法をほろぼせし、波瑠璃王の九千九十万人の人をころして血ながれて池をなせし、設賞迦王の仏法を滅ぼし菩提樹をきり根をほりし、周の宇文王の四千六百余所の寺院を失い二十六万六百余の僧尼を還俗せしめし、これらは皆、悪師を信じ、悪鬼その身に入りし故なり。
 問うて云わく、天竺・震旦は、外道が仏法をほろぼし、小乗が大乗をやぶるとみえたり。この日本国もしかるべきか。
 答えて云わく、月支・尸那には外道あり、小乗あり。この日本国には外道なし、小乗の者なし。紀伝博士等これあれども、仏法の敵となるものこれなし。小乗の三宗これあれども、彼の宗を用いて生死をはなれんとおもわず、ただ大乗を心うる才覚とおもえり。
 ただし、この国には大乗の五宗のみこれあり。人々皆おもえらく、彼の宗々にして生死をはなるべしとおもう故に、あらそいも多くいできたり、また檀那の帰依も多くあるゆえに、利養の心もふかし。

 第四に行者仏法を弘むる用心を明かさば、