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『日蓮大聖人御書全集 新版』全文検索

 この通教の法門は、別して一経に限らず、方等経・般若経・心経・観経・阿弥陀経・双観経・金剛般若経等の経に散在せり。
 この通教の修行の時節は、動逾塵劫を経て仏に成ると習うなり。また一類の疾く成るという辺もあり。
 已上、上の蔵・通二教には、六道の凡夫本より仏性ありとも談ぜず、始めて修すれば声聞・縁覚・菩薩・仏とおもいおもいに成ると談ずる教えなり。

 次に別教。また戒・定・慧の三学を談ず。
 この教えはただ菩薩ばかりにて、声聞・縁覚を雑えず。
 菩薩戒とは、三聚浄戒なり。五戒、八戒、十戒・十善戒、二百五十戒、五百戒、梵網の五十八の戒、瓔珞の十無尽戒、華厳の十戒、涅槃経の自行の五支戒・護他の十戒、大論の十戒、これらは皆、菩薩の三聚浄戒の内、摂律儀戒なり。
 摂善法戒とは、八万四千の法門を摂す。饒益有情戒とは、四弘誓願なり。定とは、観・練・薫・修の四種の禅定なり。慧とは、心生十界の法門なり。
 五十二位を立つ。
 五十二位とは、一には十信、二には十住、三には十行、四には十回向、五には十地、等覚〈一つの位なり〉、妙覚〈一つの位〉、已上、五十二位なり。