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あえて日蓮が私曲にあらず。委しく御報に預かるべく候。言は心を尽くさず、書は言を尽くさず。しかしながら省略せしめ候。恐々謹言。
文永五年十月十一日 日蓮 花押
謹上 多宝寺侍司御中
(074)
長楽寺への御状
文永5年(ʼ68)10月11日 47歳 長楽寺
蒙古国調伏のことについて、方々へ披露せしめ候い畢わんぬ。既に、日蓮、立正安国論に勘えたるがごとく符合せしむ。早く邪法・邪教を捨てて、実法・実教に帰すべし。もし御用いなくんば、今生には国を亡ぼし身を失い、後生には必ず那落に堕つべし。
速やかに一処に集まって談合を遂げ、評議せしめ給え。日蓮庶幾せしむるところなり。御報によってその旨を存ずべく候のところなり。あえて諸宗を蔑如するにあらず。ただこの国の安泰を存するばかりなり。恐々謹言。
文永五年十月十一日 日蓮 花押
謹上 長楽寺侍司御中
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(073)多宝寺への御状 | 文永5年(’68)10月11日 | 47歳 | 多宝寺 |
(074)長楽寺への御状 | 文永5年(’68)10月11日 | 47歳 | 長楽寺 |