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(063)
宿屋入道への再御状
文永5年(ʼ68)9月 47歳 宿屋光則
去ぬる八月の比に愚札を進らせしむるの後、今月に至るも是非につけて返報を給わらず、鬱念散じ難し。悤々の故に想亡せしむるか。軽略せらるるの故に、慳□一行か。本文に云わく「師子は少兎を蔑らず、大象を畏れず」等云々。
もしまた万が一、他国の兵、この国を襲う□出来せば、知って奏せざるの失、ひとえに貴辺に懸かるべし。
仏法を学ぶの法は、身命を捨てて国恩に報ぜんがためなり。全く自身のためにあらず。本文に云わく「雨を見て竜を知り、蓮を見て池を知る」等云々。災難急を見るの故に、度々これを驚かす。用いざるに、しかもこれを諫む。強。
題号 | 執筆年月日 | 聖寿 | 対告衆 |
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(063)宿屋入道への再御状 | 文永5年(’68)9月 | 47歳 | 宿屋光則 |